2017-07-21
庭や建物まわりの雑草でお困りではありませんか??
せっかくきれいに除草しても、またすぐに雑草が生えてきて、そのうち放置してしまい、植込みは荒れ放題に・・・
こんな経験はありませんか?
前回は、植栽で雑草を抑えるためには、各植物の枝(茎)葉の伸び方や成長の早さを理解する必要があることをご説明しました。
今回は実践編として、実際のガーデン設計における雑草対策のテクニックについて、ご紹介したいと思います。
改めておさらいですが、植栽で雑草を抑えるには、地際に雑草が発芽・生育するのに必要な光が届かなくなるよう、枝(茎)葉で地面を完全に覆い隠す必要があります。
地面を覆い隠す主な方法は、次の三つです。
① 低木を将来成長を見据えた密度で植えて、樹冠で地面を覆い隠す。
② 成長が早く、かつ水平方向に茎葉を展開する地被類を適当な植栽密度で植えて、早期成長により被覆する。
③ ②に該当しない被覆効果の低い地被類を密植し、完成形で被覆する。
これらの使い分けについて、当研究所が考えているポイントをいくつかご説明します。
建物のファサードやガーデンで、ある程度面積がある場合は、低木(①)を植えることがよくあると思います。
低木植栽は地被類だけを植えるのと比べ、緑量を多く見せることができ、奥行き感を出したりするのにも効果的で、こういった場所での修景には欠かせないものです。
ただ、この時に低木だけを植えるのでなく、低木の端に地面の低い位置で伸びる地被類等を合わせて植えます(①+② or ①+③)。
こうする理由は、丈のある低木は、比較的高い位置の枝葉で地面を覆うことで雑草を抑えるため、端部の被覆がどうしても甘くなりやすく、低木植栽の端に地被類等を植えることで端部の雑草を抑えることができるからです。
こうすることで、デザイン的にもよいものができます。
一方、広いガーデンのベースとなる植栽や、建物の外周全体を緑化して雑草を抑えようという場合には、低木での植え潰しは行わずに、なるべく地被類(②or③)を用います。
これは、低木は上方向への成長が大きいために、後々繁茂しすぎると、メンテナンスのための立ち入りができなくなったり、見た目も悪くなるといった問題が起きるからです。
特に面積が広い場合などは②の手法によるのが効率的です。成長の早い草種を低密度で植えて早期の被覆を図れば、施工手間やイニシャルコストがかからずに済むからです。
ただし、②の手法をとった場合、地被類の成長が早いために、後々伸びすぎて問題となることがあります。地被類が伸びて困る場所、例えばマンホールや各設備等の周囲、隣地へ伸びていく心配がある箇所などでは、③の手法を選択します。
このように当研究所では、グラウンドカバーの成長を見据え、その場に応じた植物を選んで、雑草対策を考えていきます。
これまでは、枝(茎)葉で地面を覆い隠すことで雑草を抑える方法を説明してきましたが、実はもう一つの雑草対策の手段として、雑草の生えてくる場所の手前に中低木などを植えて、背部の雑草を目立たなくする方法があります。
その一例を以下に紹介します。
このようにすれば、背部に出てくる雑草がさほど目立たず、施工コストもかからないので、特に敷地が広いケースなどでは効果的な手法です。
4回にわたった雑草対策の説明については以上です。今後は、実例などを随時ご紹介していきたいと思います。
暮らしとみどり研究所では、各現場の条件に応じた最適な雑草対策について検討し、ご提案をさせて頂きます。
雑草でお困りでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。