2017-07-14

ガーデンメンテナンスを劇的に簡単にする方法【その3】  
 ~グラウンドカバーは雑草対策の切り札~ 
   

庭や建物まわりの雑草でお困りではありませんか??

 

 せっかくきれいに除草しても、またすぐに雑草が生えてきて、そのうち放置してしまい、植込みは荒れ放題に・・・

こんな経験はありませんか?

 

 実は、グラウンドカバーと呼ばれる低木や地被類などを植えて地面を被覆すると、雑草対策には大きな効果があります。

ただ、これにはちょっとしたテクニックが必要です。

 

 前回からの続きで、暮らしとみどり研究所が考える雑草対策について、ご紹介していきます。


◆雑草対策の大前提は、枝葉で地面を完全に覆い隠すこと

  を歩きながらそこら辺の建物を見てみると、外構にサツキやクルメツツジなどを植えているのがよくあると思います。

この手の修景では、植えたツツジ類の間などから雑草が伸びて、見苦しい状態となっているものも結構あります。

ツツジがまばらに植えてあり、その隙間から雑草が出てきている…よくある光景。

 このように雑草が伸びてくる原因は、前回説明した通り、端部が空いていたり、植栽間隔が広すぎて隙間があるためです。

 隙間があると、雑草が発芽・生育するのに必要な光が地際まで届いてしまうのです。

 

 つまり、雑草を防ぐには、地際に光が届かないように、枝(茎)葉で地面を完全に覆い隠す必要があります。

まずはこれが大前提で、いかなる植栽デザインを考える時でも、この前提は崩さないようにします。

枝葉で地面を覆うには、植物の成長特性を理解する必要あり!

 それならば、「グラウンドカバーを植える時に、枝葉で地面を覆い隠すように注意して植えればいいだけじゃないか」と簡単に思うかもしれません。

 

 でも、よく考えてみて下さい。低木や地被類を植える時に、苗でなく最初から大きく成長したものを植えることはしないと思います。どんな植栽でも、将来の成長を見越して、植栽密度や間隔を考えていくはずです。

 

 この将来の成長見込みがあやふやなために、後々植込みの中に隙間が出来てしまい、雑草が生えてくるのです。

 

 もっと具体的に言うと、

① 枝(茎)葉の伸び方

② 成長の早さ

 この二つの要素が植物の種類によってさまざまなために、これらをよく理解して、植物の種類や植栽密度を決めないと、地面を覆い隠すことが思ったようにいかないのです。

 

 

 ①の枝(茎)葉の伸び方については、代表的なものとして次の四つのタイプがあります。

 (例外もあり。また、各タイプの中間に位置づけられるような種もあります)

タイプⅠ

地上部に枝(茎)葉を水平展開するタイプ。低木類の大半が該当。
植栽間隔を調整すれば防草効果があるが、端部は雑草が出やすい。

タイプⅡ

縦方向に成長し、茎葉を水平方向にあまり広げないタイプ。
特に葉幅が細いものは防草効果が低く、密植が必要。

タイプⅢ

地表面に着根したり地下茎を伸ばして、はびこっていくタイプ。
防草効果は高いが、はびこり方にムラがあると隙間が生じる。

タイプⅣ

地表面にツルや茎枝を伸ばしていくタイプ。
防草効果は高いが、成長速度や葉の大きさに左右される。

 

 このような枝(茎)葉の伸び方の特徴と、種ごとの成長の早さも考慮して、植栽密度を考えていく必要があります。

ポイントの一部を以下に写真で紹介します。

ツツジ類(タイプⅠ

成長が遅いため隙間なく植える。端部に雑草が出やすく、地被類との併用が効果的。

フイリヤブラン(タイプⅡ)

細い葉を縦方向に伸ばすため、地面を覆い難く、写真のように雑草が出やすい。

ギボウシ (タイプⅡ )

葉幅の太い葉を横方向に展開するため、植栽密度を多少落としても防草効果がある。

シャガ(タイプⅡ

葉は大きいが葉幅が細いため、密植しないと隙間から雑草が出やすい。

 タマリュウ(タイプⅢ)

成長が非常に遅く、写真のように高密度で植えることで初めて防草効果を発揮する。

タマリュウ(タイプⅢ)

植栽間隔が広過ぎるケース。苗と苗の間から雑草が生え、小まめな除草管理を伴う。

ホワイトクローバー(タイプⅢ

成長が早く、多少間隔をあけて植えても雑草を十分抑えることができる。

アイビー (タイプⅣ)

成長が早く、葉が折り重なるため、防草効果が非常に高い。低密度で植える。

ビャクシン(タイプⅣ)とフイリヤブラン(タイプⅡ)の比較

ビャクシンは広がっているが、フイリヤブランは植栽間隔を空けたため雑草が発生。

 当研究所では、このような各植物の成長特性や、お客様がどれだけメンテナンスに手をかけられるかといった事柄を勘案しながら、植物の種類や植栽密度を設定していき、雑草が生えないみどりをつくりあげます。


 建物まわりやガーデンなどの雑草対策でお困りでしたら、ぜひ一度暮らしとみどり研究所にご相談ください!

各現場に応じたより具体的なご提案をさせて頂きます。お気軽にお問い合わせください。