2018- 06-25
ガーデンの植込み部分によく用いられるウッドチップ。
今回は、ローメンテナンスを意識したウッドチップの効果的な使い方について、当事務所の考え方をご紹介したいと思います。
ウッドチップは、木質材料をチッピングしたもので、木材加工の工程で発生したバーク(樹皮)等の廃材や、伐採木や剪定枝などをリサイクルして作られるもので、様々な製品が販売されています。
ところで、そもそも植込み部分にウッドチップを敷く目的は何でしょうか?
①防草対策
②美観向上
園路等の舗装材としての使用を除けば、この二つが主になると思います。
防草対策という観点で考えると、防草シートよりも施工が簡単で、かつ美観向上も兼ねるというメリットがあります。
実はこれ以外にも、
・土壌面からの水分の蒸発を防ぐことで、土壌の保水性を高める
・腐朽した木質材料による土壌改良効果
といった植物の生育へのプラスの効果もあります。
例えば、室内の観葉植物の根元にウッドチップを敷くと、水切れによる萎れをかなり防ぐことができます。
様々な効果のあるウッドチップにもデメリットがあります。
それは、地面に触れている部分から徐々に腐朽が進んで、2~3年で朽ちてなくなってしまうことです。
植栽のローメンテナンスを考えた場合、定期的なウッドチップの補充はなるべくしないに越したことはありません。
ウッドチップの補充自体にもそれなりの手間はかかりますし、さらにウッドチップの腐朽と共に徐々に雑草が生えてくるようになると、除草管理やチップの補充のタイミングの見極めにも気を遣うことになります。
従って、当事務所では、ウッドチップについてはグラウンドカバーが成長して地面を覆うまでの一時的な措置と捉えて考えています。
つまり、ウッドチップが朽ちる頃にはグラウンドカバーが成長して地面の被覆が完了し、ウッドチップに代わってグラウンドカバーが雑草を抑えるように切り替えていくのが理想だと思っています。
逆に、例えば次のようなケースでは、植栽が地面を覆うことがないため、ウッドチップの衰退により雑草が繁茂する可能性があり、ウッドチップが腐朽したら速やかに補充していく必要があります。
ウッドチップを適用する場合は、後々のことを見据えて、植栽内容と共に計画を考える必要があります。
また私の過去の経験として、本来なら砂利敷やコンクリート舗装にすべきバックヤードにウッドチップを敷いたことがありましたが、これは明らかに失敗でした。
このような場所ではウッドチップを継続的に補充し続けなければならず、経済性やメンテナンスの面で考えると使用するメリットがないと思われます。
以上のように、ウッドチップは雑草抑制や美観向上等にプラスとなるものですが、当事務所では上記のような考え方に留意しながらガーデン設計へ積極的に取り入れているところです。
ウッドチップを使ったローメンテナンスなガーデンづくりに係るご相談や設計・施工については、ぜひ当事務所までお問い合わせ下さい。