ペットと遊べるナチュラルガーデンづくり

 今回は、新たにご入居されるお施主様より、何もない外構にお庭をつくりたいとのご依頼をいただきました。

お施主様は室内犬を飼われており、ワンちゃんを放して遊べるお庭を作りたいとのご要望でした。

 

 

 現場は階段アプローチに続く高台に位置し、眺めが良い一方で、隣家の階段アプローチが隣接する場所でした。

そのため、眺望を確保しつつも物理的な遮蔽が求められる状況でした。

施工前の状況

更地に防草シートが張られた状態。
高台にあり眺めがよい一方、隣家の階段アプローチが近接。

 お庭の床面の処理については、当初お施主様は芝生を希望されていました。

しかし、芝刈りなどの定期的なメンテナンスが必要になることや、部分的に日陰となる箇所があることから、芝生に代えて安価に施工できるディコンドラの播種を採用しました。

 

 ディコンドラは芝ほどは踏圧に強くありませんが、今回はペットが自由に走って遊べるお庭づくりがコンセプトでしたので、ステップストーンなどはあえて入れませんでした。

 ワンちゃんを毎日お庭に出しているそうですが、葉が潰れて小さくなってはいるものの緑葉を問題なく保っており、弊社の過去の事例を顧みても、この点は問題ないように見受けます。

 

 また今回は秋施工でしたが、秋のディコンドラ播種は成績が悪くなることが多いです。

そのため、お施主様には予備の種子をお渡しして、翌春に追い播きしてただくことにしました。

施工直後の状況(2024.10) 

植栽樹木も小さく、通路部分の床面はディコンドラを播種して覆土した状態。

施工翌春の状況(2025.04)

この後、お施主様の方でディコンドラの追加播種をしていただきました。ごろた石を追加し、見切りとして据え直しているのが分かります。

施工翌夏の状況(2025.08) 

ディコンドラが植栽スペースに侵入したため、この後、お施主様の方で広がりすぎた株を除去されました。「簡単に除去できました」とのこと。

 樹木植栽については、シンボルツリーとしてジューンベリーを配置し、隣家との目隠しにはヒメシャリンバイを植えました。

 フェンスに隙間のある敷地角部には斑入りサカキを植え、目隠しと併せてペットの脱走防止対策としました。

 

 またギンバイカを当初プランター植栽として納品しましたが、お施主様の方で地植えにされました。

地植えにしたことで樹冠にボリュームが出て、存在感が増し、空いた植栽スペースを埋める役割を果たしています。

 

 さらに樹木はLEDライトによるライトアップを施しました。ソーラー製品ですが十分な光量を確保できています。

ジューンベリーなどの植栽の様子

(右から)ジューンベリー、ギンバイカ、斑入りサカキ。常緑樹が多い中、ジューンベリーが一層柔らかな印象を与えています。

ヒメシャリンバイの植栽状況

完全に遮蔽はせず、間隔を設けることで、隣家からの見られ感を軽減しつつ、眺望を確保。

 下草については、ペットが口にした場合の安全性を考慮し、クリーピングタイム、オレガノ・ノートンズゴールド、ラベンダーなどのハーブ類を中心に植えました。

オレガノ・ノートンズゴールドの繁茂の様子

ライムイエローのカラーリーフが引き立つ。
ウエストリンギアのシルバーリーフとのコントラストもよいです。

クリーピングタイムの繁茂状況

4月頃に一斉に花を咲かせる。擁壁下へ下垂する様子も美しい。

 その他ペットへの配慮として、隣地境界に設置されていた既設の木製フェンスについては、隙間が広く隣地への転落の心配があったことから、メッシュネットでフェンスを覆いました。

 またワンちゃんが室内からお庭へ出る際のステップを設けました。

メッシュネットの設置状況 

安価で耐久性のあるPEプラスチック製のメッシュネットを採用。

木製ステップの設置状況

コンクリートの犬走りを踏まずに庭に降り立てるよう配慮。耐久性の高いウリン材製品を採用。

 今回の現場は、ディコンドラの追い播きや石の据え直し、地植え植栽の追加など、お施主様が自ら継続的にカスタマイズを行ったことで、植栽が時間をかけて良い状態に変わっていき、「ペットと遊べるお庭」という当初のコンセプトを実現するに至りました。

 

 作庭は工事完了時点が完成でなく、その時点から育てていくものであることを示す好例であると言えます。

 

(2024年10月完成