2017-08-04
暮らしとみどり研究所 ホームページのトピックスに、「生垣の剪定でお困りではありませんか?」メニューを掲載しました。
ここではこれについて、もう少し詳しい説明をしたいと思います。
道路などに面した敷地の外周に植えている樹木は、何のために植えているのでしょうか?
なぜ、こんな質問をするのかというと、目的をよく考えずに植えている事例が巷にはたくさんあるからです。
目的としては、大きくは次の三つでしょうか。
①人の立ち入りを防いだり、外部からの視線を遮断する「遮蔽」
②建物や設備などの人工物の見た目の違和感を緩和する「調和」
③外側から見た修景としての「鑑賞」
写真を見れば分かると思いますが、「調和」や「鑑賞」については、必ずしも生垣みたいにたくさん植えなくても、ポイントとなる部位を修景すれば事足りることが多いです。
また、この中で、一番多様なのが①「遮蔽」です。というのも、遮蔽には色々な目的があるからです。
代表例は次のとおりです。
①視覚的に完全に遮断するもの
②視覚的に完全には遮断せず、視線を和らげる程度のもの
③視覚的には遮らないが、空間を分離するもの
このように目的に応じて、植える樹種や植え方は変わってくるものです。
因みに、工事コストやメンテナンスを考えると、一般的には、
低木植栽 < 自然樹形を活かした単木植栽 < 生垣状の植栽 の順番で大きくなってきます。
つまり、目的を考えて必要なものだけを植栽していけば、工事費やメンテナンスを最小に抑えることができます。
ところが、巷には目的が曖昧で、必要以上に過大でメンテナンスにも苦慮すると思われる植栽が溢れかえっているのが実情なのです。
生垣は、定期的な刈込みによる整形を前提とした、いわば「みどりの壁」です。
そもそもが刈込みに耐える成長の早い樹種を用い、それを定期的に剪定することで形を維持していくものなので、剪定をしないとすぐに見苦しい形状となり、木がどんどん大きくなっていきます。
生垣のメンテナンスで一番問題なのが、長い間剪定しなかったために木が大きくなり過ぎてしまうことです。
一般に、視線を遮るための生垣の高さは、1.5~1.6mあればよいと言われていますが、大きくなり過ぎた木を無理に強剪定すると、樹種や枝の伸び方によっては見栄えがとても悪いものになります。
逆に、剪定する時の木の高さに応じて処置すると、本来の植栽目的に沿わない必要以上に大きな植栽となってしまい、日照不足等の問題を招いたり、その後の剪定作業でも苦労し続けることになります。
生垣は、毎年決まった時期に剪定して適切にメンテナンスしていけば十分機能を発揮しますが、世の中の実態としてメンテナンスが疎かになっているケースが非常に多いのです。
もし、建物周りや敷地外周の樹木が大きくなり過ぎて困っているとか、生垣の頻繁な剪定作業で苦労しているということであれば、思い切って伐採して、メンテナンスしやすい植栽にリフォームしてしまうことをお勧めします。
暮らしとみどり研究所にお問い合わせ頂ければ、植栽の目的を考えて、コストやメンテナンスの負荷を極力抑えた最良のプランをご提案いたします。もちろんデザインにも十分配慮します。
当研究所では、プランのご提案と植栽工事まで行うことが可能ですので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。